フライ大使が用意なさった講義は「気候の変化」についてであった。何故大使が気候問題を語る?と訝しげな私達の反応を見て
取られたのか、まずスーダン西部の100万人と言われる難民問題を挙げた。
国連が解決しようと努力をしているが、この紛争も元々はサハラ砂漠の拡大によると言われる。気候が変われば、全てに影響する。
専門家ではないが、と前置きしながらも達者な日本語で数々のデータをあげながら現状と対策の緊急性を分かりやすく論じて
くださった。
まず、地球は本当に温暖化しているのだろうか。過去140年の温度変化、自然の温暖化の動きのほかに二酸化炭素排気量など、
産業革命以来の人間の活動による温暖化の数値など多くのデータを示しながら説明なさった。
次にこの気候の変化が経済面に及ぼす面からの考察をなさった。Sir Nicholas Sternによる
”The Stern Review on the Economics of Climate Change”を紹介しながら、この問題への対策に全ての国の参加が今必要、
と訴えられた。二酸化炭素排出量がダントツに多い米中を巻き込まなければ対策は実現しない。
ひとつの例として、英国の取り組みを紹介。京都議定書の目標20%減に達するのは難しいが17%位の減少の成果を挙げられたのは、
抜本的な構造改革を行い努力を続けてきた為。15年間で排出量を下げながらもGDP 40%の成長を遂げてきたという。
産業界に努力を求めるだけでは難しい。英国政府は2003年の白書で再生エネルギー、原子力エネルギーの必要性を説いた。
このまま地球の温度が上がれば、アマゾンの森林さえ消滅しかねない。またアマゾンの森林が無くなれば、温暖化はもっと進む。
人間の体に良くないものは地球にも良くない。今また技術面で何が出来るかを考えるときがきている、と訴えられた。
さらに興味を持たれた方は 英国大使館のホームページおよび文中に紹介された
”The Stern Review on the Economics of Climate Change”をご参照ください。
池沢なるみ(昭和48年卒)