アイルランドと言えば皆様何を思いますか。ギネスビール、St.Patrick’s Day、それとも敬虔なるカトリック教国?
恒例の大使講演会シリーズ6回目講演は去る5月30日駐日アイルランド大使 Brendan Scannell氏より“アイルランドの今“と
題して行われました。
大使はアイルランドと日本並びに上智大学との関係(近年アイルランドへは上智大生が毎年20数名訪問しているとの由)に
言及した後、videoでアイルランド国の一般概況を紹介。その後、演題の本論、即ちアイルランドの現在を語るには同国の過去に
遡る必要性を説いて、アイルランドの過去より現在までの歴史を短観しました。
講演会からの主要メッセージは大略下記4点。
- 我国国歌君が代の初代作曲者は、19世紀中葉に日本に来航したイギリス軍の軍楽隊士長(アイルランド系)であった事。
本事実を知る一般日本人は皆無でしょう。
- 日本とアイルランド両国は、古くて新しい国という意味で可成り類似点を有している事。両国共、略単一民族で数千年の
誇るべき歴史があり、特に近代にその存在感を発揮した。即ち世界史的観点から、日本は19世紀中葉から近代国家への道を
歩み始め、第二次大戦後は世界の中で大国となった。アイルランドは日本と違って、6世紀のケルト民族定着後、バイキング
から始まる外敵の侵入、英国の殖民支配を被ったが、第二次世界大戦後のEU加盟後、国力の飛躍的発展を遂げて新しい国と
なっている。
- アイルランドはEUの優等生
アイルランドは1973年に現在のEUの前身たるECに加盟。現在EU27加盟国の中で優等生的存在である。例えば、国民1人当りの
GDPはルクセンブルグに次ぎ、EU第二位。大使はアイルランドのEU加盟こそが、アイルランドの現在の高度経済成長、
社会変革並びに政治的安定となって、国を根底から活性化、変貌させた点をしきりに力説された。具体的に、当該加盟に依り、
アイルランドはビジネス販路の拡大や、外国資本の流入促進といった具体的経済果実を享受出来るようになったことのみならず、
民間部門経営者のより一層の市場経済に基く経営理念の覚醒に大きな影響をもたらした。
この経済的発展が現状の政治的安定にもただいな貢献をしている。
- アイルランドは清潔で美しい自然環境に恵まれた国で、毎年約700万人強の観光客が訪れる豊かな観光資源国でもある。
今宵の御話はアイルランド国に関してでしたが、Globalismと言われる現代では、政治・経済が世界のどの国とも密接に
結びついている時代です。今回はアイルランドという切り口を通し現代世界の事象に一時思いをはせる機会を得ました。
一国の大使といえども、経験豊かな大使であれば、世界各国に勤務された経歴をも有し、且つ豊かな知見と洞察力を持たれる方が
多いわけですから、英語科の皆様も意識的に時間をお作りになって、大使講演会に足を運ばれては如何でしょうか。
世界の最新の息吹を母校で旧友と共に時には胸一杯吸われては如何でしょう。そのような貴方の一人一人の存在が世界の平和に
いずれは資することでしょう。